社会人になってからしばらくして、職場の人に進められ財形貯蓄(いわゆる財形)を始めました。
それから15年、一度も預金を引き出すことなく、株式投資を始めるまで止めようとは考えたこともありませんでしたが、投資を始めてすぐに解約しました。もっと昔から株式投資を知っていればと今では後悔しています。
15年間の財形でいくら儲かったのか
財形に預金して積み立てていた額は、最初の5年間が月1万円(ボーナス時2万円)、後の10年間が月3万円(ボーナス時5万円)でした。
これで総額としてほぼ540万円となりました。
解約後に明細をもらって、果たして15年間でいくら利子が入ったかと言うと、
…なんと3万2千円(税引き前4万円)。
家族で高級な食事でもしたら、1回で終わっちゃうような額ですね。。さすが超低金利時代と言った感じです。15年間でこれかと思うとさすがに寂しくなりました。
株式投資していたらいくらになったかのか
投資を始めた今となってやはり思ってしまうのはこれですよね。
もし財形をせずに、最初から株式や投資信託を購入し続けていたら利益はどうなったのかということです。
投資のパフォーマンスによってもちろんこれは違ってくるため、「控えめ(年3%)」「まずまず(年5%)」「良い(年7%)」の、3種類の年率で算出してみました。
- 控えめ(年3%):90万円(税引き前110万円)
- まずまず(年5%):150万円(税引き前190万円)
- 良い(年7%):210万円(税引き前270万円)
想像はしていましたが、あまりにも違いすぎますね…。
良いとした年7%というのも、米国優良株の長期的な平均リターンなので、おそらく普通に達成できた程度の値であると思いますが、これだと預金額の半分近くを利益だけで得られたことになります。
まさに複利効果が実感できますね。
こうして振り返ると、投資しなかったことが悔やまれます。まあ、当時の自分には投資なんて思いもつかない世界だったので仕方ないことですけどね。
もちろん投資にはリスクもありますが、アメリカ優良企業の株を購入した場合、長期的に持ち続けばリスクはほとんど皆無です。財形を始めようかと思った人は、投資にしないのか、今一度考えてみてほしいと思います。
財形に比べて投資は手間では?
財形は勤め先の給料から天引きされ、自動的に貯蓄にまわされます。何もしなくてもいいところが利点ですね。
ただ、この点も現在は投資でも代替できてしまいます。
ネット証券から投資信託を選んだ場合、毎月口座から無料で引き落として購入してくれるところがほとんどではないかと思います。僕が投資を始めたきっかけとなったWealthNavi(ウェルスナビ)でも無料での積み立てに対応しています。
さすがに個別株だと毎月購入にかかる手数料があるので、天引きしたいのであれば、これらに軍配が上がりますね。
財形にメリットはまったくないのか?
財形にまったくメリットがないのかというと、そんなことはないと思います。実際、僕も感謝はしています。
社会人になりたての若い頃は、貧乏な学生生活を送った後で、せっかく自分が稼いだお金です。いろいろと使いたいことがあるでしょう。給料から天引きされることで、強制的に貯金させる仕組みはやはりいいものです。
ただ、先に述べたように、これは何も財形でなくても無料でできる時代になりました。
財形よりも投資を解約する方が簡便なことから、預金を引き出したくなる誘惑に弱い点はあると思います。そもそも頻繁に使う当てのあるお金は、投資には向いていないため、その場合は財形の方がいいかもしれませんが、それだと引き出しにくい財形にわざわざする意味がなさそうですね。
まあ、たらればの話ですので、財形がなければひょっとして今のように貯金すらできていなかったかもしれません。なので本当に財形に感謝はしています。
ただ、この15年間の利益のあまりの違いを見ると、投資というものに早く出会っていればと思ってしまうのも、また真実です。