僕が投資を始めたキッカケは、偶然でした。
たまたまWealthNavi代表の柴山さんの記事を、IT系サイトで見かけたからでした。
彼は財務省を退職後、マッキンゼーで働き、TECH::CAMPでプログラミングを習得して、このWealthNaviをスタートと、本当にすばらしい経歴です。
記事をみて、その誠実な語り口と、投資による「長期・積立・分散」の王道の資産運用を富裕層だけではなく普通の人々に広めたいという思いに心が動きました。ちなみに、実際に柴山代表にセミナーでお会いしたこともありますが、イメージどおり穏やかで実直な方という印象を持ちました。
大手金融機関が出資していたり、情報をちゃんとオープンにしていることもあり、ここなら信頼できるかなと思い、それまで全く投資はやったことがなかったのですが、投資を始めてみようかと思ったのです。
*僕が読んだ記事はもう見られなくなりましたが、内容的には公式サイトの以下と近いです。
ウェルスナビ(WealthNavi)とは?
ウェルスナビ(WealthNavi)とは、AI(人工知能)を使用して自動で資産運用を行なってくれるサービスです。
米国への投資による資産運用を始めようと思えば、まずは証券口座を開設し、そこにお金を入金し、それからどの商品・どこの銘柄を買うか決めて、購入手続きをしてと、それなりの手間がかかります。
ウェルスナビでは口座を開設してお金を入金し、資産運用に関する簡単な説明に回答すれば、あとはロボアドバイザー(AI)がリスク許容度に基づいて商品・銘柄の決定と購入を自動的に行ってくれます。これだけだとあまり違いがないんじゃないかと思うかもしれませんが、ウェルスナビは登録や入金の画面もわかりやすく、一般的なネット証券とは大きな差があります。
資産運用を始めたいと思ったそのときに簡単に始められる、これこそがウェルスナビが可能にしたことではないかと思います。資産運用を始めないことこそが、長期的には大きな資産の違いに直結します。自分にはハードルが高いと思っているなら、ウェルスナビを始めることをまずは検討してみてよいと思います。
もし自分があのときウェルスナビに出会い、投資による資産運用を始めていなかったら今どうなっていたか…。考えるだけでも少し恐ろしいです。
ウェルスナビでの10ヶ月間の運用結果
僕は初めての投資でしたし、最初は30万円から始め、その後1ヶ月おきくらいに100万円ずつ預け入れ金額を増やし、2018年2月現在の今は500万円強を預けています。
ちょうど世界株高の時期と重なり、一時は60万円ほどのプラス利益で、預け入れ資産が約10%増えました。今月初旬の米国株価大暴落で大きく減りましたが、その後また上昇局面に入ったこともあり、だいぶ持ち直しています。
ウェルスナビに向いている人、向いていない人
実際に半年以上使ってみて、ウェルスナビに「向いている人」「向いていない人」はこういう人だなと感じたので書いておきます。
向いている人
- 投資や資産運用にあまり時間をかけたくない
- ともかく簡単に投資や資産運用を始めてみたい
- 米国または世界は今後も成長を続けると信じられる
- リスクをなるべく抑えながら資産運用したい
- 運用したい資金をしばらく使うあてがない
- あまりパソコンやITに詳しくない
向いていない人
- 投資や資産運用のことを調べたり、勉強したりするのが好き
- 時間をかけてもよいから、少しでも効率よく資産運用したい
- 米国や世界の成長は信じていない、日本または新興国の成長だけを信じている
- リスクを取ってもいいから、ハイリターンを求めたい
- 運用する資金は時々引き出す可能性がある
- パソコンやITに詳しい、またはわからなくても調べてどうにかできる
どうでしたか?
なぜこういうふうに向き・不向きがあるのか、次でウェルスナビのメリット・デメリットを紹介しながら説明したいと思います。
ウェルスナビのメリット、デメリット
1. 自動サービスか手数料を取るか
ウェルスナビは、銘柄の購入や為替の手数料などは必要ありません。その代わりに、預けている資産の年率1%の手数料がかかります。100万円預けていれば、年間で1万円ですね。
たった1%で自動で資産運用してくれて各種のサービス(購入や為替の手数料なし、ポートフォリオ最適化、自動積立、配当による再投資、自動税金最適化)が受けられると考えるか、1%支払うなら自分で資産運用をやると考えるかは人によって違うと思います。
*画像はウェルスナビ公式ホームページから引用
実際自分も、最初の頃はたった1%とまったく気にしていませんでしたが、米国個別株を自ら売買し配当を重視する今では、1%という数値は長期的パフォーマンスにはだいぶ影響すると考えるようになりました。ウェルスナビが実際に購入する銘柄(主にETF)は優良なものですが当然個人でも購入は可能です。手間をかけても自分で購入して管理していくのか、それとも時間をかけずお任せで運用していくのか、人によって異なる部分かと思います。
ただ一つ言えることは、迷って結局資産運用を始めない(検討しない)というのはもっとも避けるべきです。決めきれないようなら、まずはウェルスナビから始めたほうがよいでしょう。
2. 世界への分散投資か、特定地域への投資か
これはメリット・デメリットではなく、商品の性格です。
ウェルスナビは投資対象として、米国株・日欧株・新興国株・米国債券・物価連動債・金・不動産に投資します。この資産分散によりリスクをコントロールしていますが、結果として世界全体への投資となり、また過去のリターンの高さから米国株や債権の割合が大きくなります。米国企業は世界中に進出していることから、米国または世界全体への成長に資産を託していると言えます。
ここを疑う人はあまりいないようにも思いますが、もし世界の成長は限界にきており、日本や新興国など特定の地域だけが今後成長すると考える人は、ウェルスナビではなく自分で個別株を購入したほうがよいでしょう。
僕は米国株個別投資までしていることからも、米国企業と世界の成長を信じていますので、ウェルスナビのメリットと考えています。
3. とことんハイリターンを求めるかどうか
先ほどと関係がありますが、分散投資をしている関係から、リスクは分散されます(例えば株価が下がるときは一般的に金の値段が上がることが知られています)。
リスク許容度は質問に答えていくか自分で選ぶことで調整できるので、もしリターンよりもリスクを抑えたいという人は、リスクを下げることができます。
ただ、リスク許容度を最高にしても、例えばリスクの高い米国株だけを買って、リスクの低い債権をまったく買わないということはありません。債権の割合が低くなるだけです。
リターンを得ることを最大の目標とするのであれば、米国株のみを自分で購入した方が、(リスクは伴いますが)リターンはよくなります。もし今投資にまわせる金額がひじょうに少ないなら、リターンを目指して資産を増やしていくべきですし、手数料もかかるため、ウェルスナビはあまりお勧めできません。
逆に眠らせている資金を活用したいなどの場合は、ウェルスナビの方がリスクが分散されます。
つまり、資産をどう運用したいかでしょうか。わたしも始めた当初はリスクを恐れていたためウェルスナビから始めました。今はリスクをとってもリターンを狙いたいため、自分での米国株個別投資と併用しています。
4. 運用する資金を使う可能性があるか
これもウェルスナビ特有のメリット・デメリットではありません。海外資産に投資する場合に共通となります。
リスク許容度が高くなればなるほど、株式への資産割合が高まります。つまり、自分が預け入れたときよりも株価が下がったときに資金を引き出すと、損をします。また、為替も影響しますので、自分が預け入れしたときよりも円高(ドル安)に進んだ場合は、同じく損をします。
株価が上がり円安に進んだときに引き出すのが一番おトクです。
急に資金を引き出す必要が出た場合は、そのタイミングでない可能性があります。損をする可能性が高まるわけです。手をつけないでいい資金で始めるべきです(これは投資一般に言えることですが)。
自分の場合は、まとまった資金が必要な状況は当面想定されませんので、損なタイミングで引き出すつもりはまったくないため、特にデメリットにはなりませんでした。
5. パソコンやITに詳しいか
最初の方で書いたとおり、ウェルスナビはプログラムに詳しい社員で運営されているからでしょうか。各種の画面がひじょうにわかりやすく、パソコン操作にあまり自身のない人にもお勧めです。(特にスマホアプリがわかりやすいです)
ネット証券の画面は多機能な一方、やはりわかりづらいですよね。僕はあまりパソコンに苦手意識がないのでよいのですが、人によっては苦手意識があると思います。そういう人にはウェルスナビはお勧めです。
また自分も経験があるのですが、ネット証券で自分で売買すると、購入の種別や数量を間違えそうになって冷や汗を流すこともあります。また、やはり「損したくない・得したい」という自分の心理が正確な判断を妨げたこともあります。
このようなことを避けたいなら、自動によるサービスが一番ですね。
さいごに
途中でも述べましたが、ウェルスナビに出会わなければ投資を始めてなかったかもしれませんし、いきなり最初から自分で売買してたなら損を出して投資を辞めていたかもしれません。
投資は、まったく行わないこと自体がリスクで、生涯の所得で大きな差がつく可能性があるものと思っています。
投資・資産運用を行うべきか迷っているくらいなら、最初の一歩としてウェルスナビは間違いなくお勧めです。
*もちろんウェルスナビでも投資するタイミングは重要なため、株式市場があまりにも割高すぎたり、暴落が見て取れる時期に開始しないようにするか、定期的に一定額を分けて分散投資するようにしてくださいね。